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有持分一部移転登記とは?手続きや費用とリスクまでを解説
不動産を複数人で所有する「共有」は、相続や贈与、離婚など様々な場面で発生します。
共有する不動産の持分を一部だけ譲渡したい場合、持分移転登記という手続きが必要になります。
共有名義不動産の持分移転登記は、一見複雑な手続きのように思えるかもしれません。
しかし、適切な知識があればスムーズに手続きを進めることができます。
この記事では、共有名義不動産の持分を一部移転させる登記の手続き、費用、リスクなどを詳しく解説することで、不安なく手続きを進めるための情報を提供します。
共有名義不動産の持分移転登記とは?
持分移転登記とは、自己の持分の一部を他の共有者や第三者に譲渡する際に必要な登記手続きのことです。
例えば、相続で不動産を複数人で共有することになった場合、その一部を他の相続人に譲渡したい、または共有している不動産の一部を第三者へ売却したいといった場合に、この手続きが必要になります。
共有名義不動産の持分移転登記の必要性
共有持分の一部を移転する際には、法務局に持分(一部)移転登記をの申請し、登記簿上に所有権を反映させる必要があります。
登記簿に反映されていない場合、所有権の移転が認められないため、売却や担保設定などの不動産取引ができません。
また、固定資産税の支払いなど、所有者としての権利義務が適切に履行されない可能性もあります。
共有持分移転登記の手続きの流れ
共有持分移転登記の手続きは、以下の流れで行われます。
1: 登記申請の準備
登記申請に必要な書類を揃える必要があります。
例として、登記申請書・登記識別情報・住民票・登記原因書類(売買契約書など)・印鑑登録証明書、固定資産評価証明書などが必要となることが多いです。
2:登録免許税の準備
持分移転登記をするために法務局で申請する際に登録免許税の支払いが必要になりますので、準備が必要です。
※登録免許税:登録免許税額 =固定資産税評価額 × 登録免許税率 2: 登記申請 準備書類などが揃ったら、共有名義不動産の所在地を管轄する法務局に登記申請を行います。
申請は、所有者本人または代理人(司法書士など)が行うことができます。
3: 登記完了
法務局が登記申請の内容を審査し、問題がなければ登記が完了します。
登記完了後、登記済証が交付されます。
必要な書類や登録免許税の計算方法など、不動産の種類や状況によって異なりますので事前に法務局や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
その他、共有持分移転登記の費用
その他の費用としては、住民票や印鑑登録証明書、司法書士報酬などがあります。
1:住民票・印鑑登録証明書 住民票 300円/1通 印鑑登録証明書 450円/1通
手数料は自治体によって異なるケースもあります。
2: 司法書士報酬
司法書士に依頼する場合、報酬が発生します。
報酬額は、司法書士によって異なりますので、事前に複数の司法書士に相談し、見積もりを取ることをお勧めします。
共有持分移転登記が必要なケース
持分移転登記は、様々な場面で必要になります。
主なケースとしては、以下のようなものがあります。
1: 相続による持分の取得
相続によって不動産を複数人で共有することになった場合、その一部を他の相続人に譲渡したい場合に、共有持分移転登記が必要になります。
2: 離婚による共有持分取得
離婚によって、夫婦で共有していた不動産の持分を一方の配偶者に譲渡したい場合にも、持分移転登記が必要になります。
3: 不動産の売買
共有している不動産の自己の持分を売却する場合、自己の持分を買い主に移転するために、持分移転登記が必要になります。
共有名義不動産の持分を移転登記しないリスク
持分移転登記を怠ると、様々なリスクが発生する可能性があります。
1: 固定資産税などの請求が前の共有者に届いてしまう
持分移転登記がされていない場合、固定資産税の請求が前の共有者に届いてしまうことがあります。
これは、登記簿上の所有者が変更されていないため、税務当局は以前の所有者に対して固定資産税の請求を行うからです。
2: 融資を受けられない
持分移転登記がされていないと不動産を担保にして融資を受けようとした場合に、登記がされていないことを理由に融資を受けられないことがあります。
これは、銀行などが登記簿上の所有者を信用して融資を行うため、登記がされていない場合は本当に権利があるのかわからないからです。
3: 相続時に新たな相続人が増えてしまう
持分移転登記がされていない場合、相続時に新たな相続人が増えてしまう可能性があります。
これは、登記簿上の所有者が変更されていないため、相続が発生した場合に移転前の共有者も相続人として認められる可能性があるからです。
まとめ
共有名義不動産の持分移転登記は、不動産の共有持分を一部だけ譲渡する際に必要な手続きです。
登記を怠ると、固定資産税の請求が前の共有者に届いてしまったり、融資を受けられなかったり、相続時に新たな相続人が増えてしまったりといったリスクが発生する可能性があります。
共有名義不動産の持分移転登記の手続きは、一見複雑に思えるかもしれませんが適切な知識があればスムーズに手続きを進めることができます。
この記事で説明した内容を参考にして、不安なく手続きを進めていきましょう。
共有持分の一部移転を検討されている方は、事前に法務局や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
編集者
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