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  • 相続における限定承認とは?単純承認や相続放棄との違い

相続が発生したとき、すぐに遺産分割を考えるかもしれませんが、実は相続をするかどうかは自分で決められます。
場合によっては相続しなかったり、範囲を定めて相続したりするほうがメリットがある可能性も考えられます。
そこで、今回は相続における限定承認について、単純承認や相続放棄との違いも含めて解説します。

□相続の限定承認とは?

限定承認とは、被相続人のマイナスの財産を、被相続人のプラスの財産の範囲内でのみ引き継ぐ方法です。
限定承認が選択される主なケースとしては借金の有無、財産の全容が不透明な場合や、相続財産の中にどうしても残したい財産がある場合などです。
「単純承認」や「相続放棄」という他の選択肢もありますが、限定承認は特に相続による過度な負担を軽減するために考案されました。

*相続放棄との違い

相続放棄を選ぶと、相続財産全体を受け取れなくなります。
限定承認では、プラスの財産を引き継ぎつつ、債務の負担をプラスの財産の範囲内に留められますが、相続放棄では特定の財産のみの相続もできません。
明らかに負債が財産を上回る場合の選択肢として、相続放棄が選択されることが多いです。

*単純承認との違い

単純承認は、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も、全て引き継ぐ方法です。
最も一般的な相続方法で、特別な手続きを必要としません。
しかし、債務が財産を上回る場合、限定承認のほうが有利となる場合があります。

□限定承認のメリットとデメリット

限定承認には、相続人にとって大きなメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

*限定承認のメリット

1:プラスの財産の範囲内で債務を弁済すればよい

限定承認の最大のメリットは、相続財産の範囲内でのみ債務を弁済すれば良いという点です。
借金をはじめとした被相続人のマイナスの財産が債務超過の場合でも、プラスの財産の範囲内でのみ弁済すればよいので、相続人が自らの資産を用いて債務を返済する必要はありません。

2:先買権を利用して大切な財産を残せる

限定承認では、債務超過の状況下でも、自宅をはじめ特定の財産を保持したい場合、先買権を利用してその財産を取得することができます。
どうしても残したい財産がある場合、鑑定人の評価に基づいて適切な金額を支払うことで、財産を確保できるようになります。

*限定承認のデメリット

1:相続人全員での手続きが必要

限定承認のデメリットの1つは、手続きに相続人全員の合意が必要という点です。
相続放棄が相続人単独で手続きできるのに対して、限定承認は相続人全員が合意の上で手続きをしなければいけません。
相続人の間で意見の相違がある場合や相続人が多い場合、合意を得ることやその後の手続きが困難になる可能性があります。

2:手続きの複雑さ

限定承認の手続きは複雑であり、時間と労力が必要です。
家庭裁判所に申述と書類の提出で完了するわけではなく、その後も請求申出の抗告、財産管理口座の作成、財産の換価手続き、配当弁済手続きなど複数の手続きがあります。
特に、被相続人の債権者を把握し弁済をしなくてはいけないため、調査により時間と手間がかかります。

3:譲渡所得税の課税の可能性

限定承認をした場合、被相続人から相続人へ相続開始時の時価で財産が譲渡されたとみなされ、「みなし譲渡所得税」がかかる可能性があります。
財産を相続時に被相続人が購入した価格より相続時の時価が高く評価される場合、高く評価された分に対して譲渡所得税が課されます。
ただし、プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが多い場合では納税義務が発生することはありません。

□限定承認での注意点

限定承認を行う際には、特に以下のポイントに注意しましょう。

*相続人全員で行うこと

限定承認は、相続人全員の合意が必要です。
一人でも単純承認を選択すると、他の相続人もその選択を余儀なくされます。
全員での共同行動を必要とするため、事前の十分なコミュニケーションが重要です。

*手続きは3か月以内に行うこと

限定承認の申立ては、相続の開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。
3か月を過ぎると自動的に単純承認したとみなされるため、時間に余裕を持って行動する必要があります。

*手続きの完了前に相続財産を処分しないこと

限定承認の手続きが完了するまでは、預貯金を解約するなどの相続財産を処分できません。
もし処分してしまうと単純承認したものとみなされ、限定承認や相続放棄の選択肢が失われます。

□まとめ

相続において限定承認は、被相続人に債務がある場合に相続人自身の財産を守るための手段となります。
相続人全員の同意が必要だったり、手続きが複雑だったりとデメリットも存在しますが、遺産の状況を把握した上で単純承認、相続放棄、限定承認などどの選択肢が良いかを判断しましょう。

編集者

【監修】共有持分サポート
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