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共有名義の不動産を売却する方法とその際かかる税金について解説します
共有名義の不動産売却にあたって、売却方法や引渡し時期からの逆算、住み替える場合や資金計画などたくさん考えることがあります。
単独名義の不動産であれば自分で自由に決められるのは当然のことですが、共有名義の場合はどうでしょうか。
複雑な手続きや共有者間のトラブルを懸念されている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回はその不安を解消するべく、共有名義の不動産の売却方法とその際に発生する税金について解説します。
共有名義の不動産を売却する方法について
共有名義の不動産の売却方法は、主に3つあります。
自分の共有持分のみの売却
共有名義の不動産は、自分の持分のみでも売却できます。
自分の持分のみの売却であれば、他の共有者の同意や承諾が不要で、自分のタイミング、方法で好きに売却できるのです。
一方で、共有名義の不動産の一部であるので不動産全体を自由に扱えるわけではありません。
そのため、需要が低いというデメリットがあります。
共有名義不動産を一括売却する
自分の持分のみではなく、共有名義の不動産全体を売却することもできます。
不動産が現金化されるため、各持分に応じた金額が正確に分配されます。
ただし、これには共有者全員の同意や承諾が必要なので、1人でも反対者がいれば不動産全体の売却はできません。
共有名義不動産が土地の場合は分筆する
共有名義の不動産が土地の場合、1つの土地を登記簿上で2つ以上の土地に分ける、「分筆」をすることで、それぞれの土地に1人ずつ所有者を設定できます。
そのため、共有名義から単独名義へと変わり、各自自由にその土地を扱えるようになるのです。
分筆は3つの手順で完了します。
1つ目は、土地の境界線の確定です。
その土地に関する資料を参考に、測量しながら土地の境界を割り出していきます。
その後、共有者全員の立ち合いのもと、土地の境界を確認します。
2つ目は、境界標の設置です。
土地の境界が確認されたら、その境界上に境界標を設置します。
こちらも、共有者全員の立ち合いのもと行われます。
3つ目は、登記の申請です。
登記の申請は、境界ごとの所有者を確定させる重要な段階です。
登記を忘れてしまうと、共有者同士の話し合いで決定したことでも第三者に所有権を主張できない恐れもあるので、注意しましょう。
分筆登記には、申請書、地積測量図、筆界確認書が必要です。
署名や押印を済ませたこれらの書類を登記所に提出して、土地の分筆は完了です。
共有名義の不動産を売却した際にかかる費用について
相続した共有名義の不動産を売却した場合、以下の税金が発生します。
売却した年の翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を済ませましょう。
・譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産を売却して利益を得た際に発生する税金です。
次の章で、計算方法について解説します。
・印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書を作成する際に発生する税金です。
契約書には印紙を貼り付ける必要があり、その印紙を購入する際に支払うのが印紙税です。
売却金額によって印紙税は異なり、その額は200円から48万円と幅広いです。
売却益が基準である譲渡所得税と異なり、不動産の売却金額が基準となるため、高額で売却した際はそのまま税金も高額になります。
また、以上2つの税金以外にも、不動産仲介で不動産を売却した場合は仲介手数料もかかります。
仲介手数料の上限は売却価格が400万円を超える場合、「売却価格×0.03+6万円」です。
こちらも売却価格が高くなるほど手数料も高くなり、かつ消費税も発生します。
不動産売却の際は、以上のようにあらゆる税金と費用が発生します。
次の章で紹介する計算方法でしっかりと支払う税金を把握し、忘れずに確定申告をしましょう。
共有名義の不動産を売却した際に発生する税金の計算方法について
印紙税や仲介手数料は売却価格によって左右されますが、譲渡所得税は「譲渡所得」と呼ばれる売却益に応じて発生します。
譲渡所得の計算方法は以下の通りです。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
この計算で求められた譲渡所得に、定められた税率をかけたものが譲渡所得税額です。
取得費は不動産の購入費や登記費用、譲渡費用は仲介手数料が含まれます。
また、制度化されている不動産売却時の特例の要件に当てはまる場合、その特別控除額も差し引かれます。
そのため、印紙税や仲介手数料と比較すると、高額な不動産売買でも税金を抑えられる仕組みが整っているのです。
また税率は、所有期間によって異なります。
所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、所得税、特別復興所得税、住民税合わせて39.63パーセントです。
所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得となり、20.315パーセントです。
まとめ
共有名義の不動産と聞くと、手続きが複雑なイメージを持たれるかもしれませんが、同意が得られれば自分の好きなように不動産を扱えるようになります。
自分のために使用したり、賃貸として使用したりさまざまですが、売却する際は譲渡所得税、印紙税、仲介手数料が発生することを把握しておきましょう。
編集者
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