-
共有持分に家族信託を導入するメリット・デメリットを解説!
共有名義の不動産は、複数人で所有しているため、売却や管理、将来の相続の際に意見の相違や手続きの複雑さが生じやすいものです。
特に共有持分不動産の売却では、共有者の判断能力や意思確認が課題になることもあり、その対策として家族信託を活用する方法があります。
信頼できる家族に財産管理を委ねることで、所有者の判断能力に影響されることなく、計画的な資産管理や売却準備を進めやすくなります。
今回は、共有持分に家族信託を導入することの意義や、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
共有持分不動産の売却に家族信託を活用する方法
家族信託とは?
家族信託は、財産の所有者である委託者が、信頼できる家族や親族(受託者)に財産の管理・処分を託す制度です。
受託者は、信託契約で定められた内容に基づき、受益者(委託者本人や他の家族など)のために財産を管理・運用します。
これにより、委託者が将来、認知症などで判断能力を失った場合でも、あらかじめ定めた意思に沿った円滑な財産管理を継続することが可能になります。
具体的には、委託者が「この不動産は長男に管理を任せたい」といった希望を契約書に明記し、受託者がその意思に沿って不動産管理を行うことで、判断能力喪失後も計画通りの資産活用を継続できます。
一部または全持分を信託財産にできる
共有持分不動産において、信託できる財産の範囲は信託契約で自由に定めることができます。
そのため、共有持分の一部のみを信託財産として指定することも、共有者全員の持分をまとめて信託財産として指定することも可能です。
例えば、複数の共有持分不動産のうち、管理が容易な物件のみを信託対象とするなど、目的に応じて柔軟な設定が可能です。
なお、不動産を信託財産とする場合には、信託内容を登記簿に反映させる信託登記を行う必要があります。これにより、その不動産が信託財産であることが第三者にも明確になります。
また注意点として、共有持分不動産の一部の持分だけを信託した場合は、不動産全体を売却するためには他の共有者の同意が必要です。
家族信託は共有関係そのものを解消する制度ではなく、あくまで持分の管理を円滑にする仕組みである点に注意が必要です。
共有持分不動産の売却で家族信託を活用するメリット
体調や判断力に左右されない管理処分
共有名義の不動産では、共有者の一人が認知症などで判断能力を失ってしまった場合、不動産の売却や大規模な修繕といった重要な意思決定ができなくなり、手続きが滞るリスクがあります。
家族信託を導入しておけば、受託者は信託された共有持分の範囲内で、契約内容に基づいて受託者が単独で管理や処分を行うことができます。
これにより、信託された持分について計画的な管理を継続しやすくなります。
相続による持分分散トラブル防止
不動産が親族間で共有されている場合、相続が発生するたびに共有者が増え、持分が細分化していくことが少なくありません。
共有者が増えすぎると、管理や売却の際の意思決定が複雑化し、意見の相違からトラブルに発展する可能性が高まります。
家族信託では、将来の相続人が誰になるか、どのような管理を継続するかといったことをあらかじめ契約に盛り込むことで、持分の過度な分散やそれに伴う管理の煩雑化、トラブルを未然に防ぐことが期待できます。
例えば、将来の受益者をあらかじめ指定しておくことで、不動産そのものが細かく分割されることを避け、円滑な権利承継が可能になります。
共有持分不動産の売却で家族信託を活用するデメリット
家族信託は、共有名義の不動産を管理・売却しやすくする仕組みとして活用されることがあります。
しかし、メリットだけでなく注意すべきデメリットもあります。
内容を十分に理解せずに導入を進めると、かえって家族間の関係悪化や、予期せぬ経済的負担を招く可能性があります。
ここでは、家族信託を利用する際に起こりやすいトラブルについて解説します。
受託者選任で親族間対立の可能性
家族信託では、不動産の管理や売却などを行う「受託者」を決める必要があります。
誰を受託者とするか、またその権限をどうするかを決める過程で、家族間で意見が対立する可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
・特定の家族だけに大きな権限を与えられることの不満
・「なぜその人が受託者なのか」という不公平感
・財産管理を任せることへの不安
このような理由から、受託者の選任をめぐって家族間で不満や対立が生まれることもあります。
そのため、家族信託を検討する際は、関係者全員で十分に話し合い、納得したうえで受託者を決めることが重要です。
信託契約終了後の不動産の帰属をめぐるトラブル
家族信託では、契約の終了時に信託財産を誰が取得するのかをあらかじめ決めておく必要があります。
しかし、この取り決めが不十分だった場合や、関係者の認識が一致していなかった場合には、信託終了後にトラブルが生じる可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
・信託終了後に不動産を誰が取得するのかをめぐる争い
・想定していなかった相続人が現れ、権利関係が複雑になる
・不動産の処分方法について相続人の意見が対立する
このようなトラブルを防ぐためには、信託契約を作成する段階で、信託終了時に財産の帰属先や処分方法を明確に定めておくことが重要です。
専門家依頼で高額な費用発生
家族信託の組成には、法律や税務に関する専門知識が必要となるため、司法書士や弁護士といった専門家に依頼するのが一般的です。
信託契約書の作成、登記手続き、必要に応じて公正証書の作成などを専門家に依頼する場合、契約内容や依頼先によっては、一定の費用負担が生じます。
長期的な視点で見ると、信託の運用や変更、終了時にも専門家への相談や依頼が必要となる場面もあり、相応のコストが生じることを理解しておく必要があります。
まとめ
共有持分不動産の売却や管理において、家族信託は手続きを円滑に進めるための有効な選択肢のひとつです。
体調や判断力に左右されずに計画通りの財産管理・承継が可能となる一方、受託者の選任における親族間の対立や、専門家へ依頼した場合の高額な費用といったデメリットも存在します。
導入にあたっては、メリット・デメリットを十分に理解し、ご家庭の状況に合った最適な方法を専門家への相談も視野に入れながら、慎重に検討することが重要です。
編集者

-
不動産の共有名義による「相続」「離婚」「相続後」などの親族間トラブルを抱えている方は共有持分サポートへ。当社では弁護士、司法書士、不動産鑑定士、税理士などの専門分野のスタッフが共同で問題解決のために取り組むことで、素早い対応が可能となっております。
本社を置く大阪だけではなく、全国エリアをカバーしており、これまでも遠方にお住まいのお客様の問題解決を数多く対応させていただいた実績がございますので、どなたでもお気軽にご相談下さい。
最新の投稿
- 2026年4月5日住宅ローンコラム共有持分に家族信託を導入するメリット・デメリットを解説!
- 2026年3月20日不動産売却コラム共有名義不動産が競売になる原因と回避する方法とは?
- 2026年3月5日共有持分コラム共有不動産を賃貸化し収益化するノウハウとは?
- 2026年2月20日共有持分コラム共有不動産の査定で見るポイントとは?価値を決める要因を解説
共有持分不動産の問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
-
お電話での無料相談はこちら
-
-
無料相談はこちら
-
-
-
受付時間
-
10:00~20:00【年中無休】
-





