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共有持分に抵当権を設定する際は、リスクについてしっかりと確認を
不動産を担保にローンを組むには、その不動産に対して抵当権を設定する必要があります。
では、不動産を他人と共有している場合はどうでしょうか。
共有状態の不動産でも、自身の共有持分に対してのみであれば、抵当権を設定してローンを組むことは可能です。
ただ、相応のリスクが伴うため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
今回は、共有持分に抵当権を設定するケースについてお話しします。
共有持分に抵当権を設定することは可能
ローンを組む際に必要な抵当権の設定は、共有持分に対しても可能です。
この場合は不動産全体ではなく「ご自身の所有している共有持分のみ」に抵当権が設定されます。
ただ、問題は共有持分に抵当権を設定できる云々という部分にはありません。
共有持分のみの担保では、金融機関から認められないケースが多いのが問題です。
法律上では共有持分に抵当権を設定することはできます。
しかし、現実的には、共有持分のみを担保にローンを組むことは困難を極めるでしょう。
一部の金融機関では共有持分のみの担保を認めていることもありますが、制限や条件がある場合も否定できません。
必ず事前に確認した上で抵当権を設定しましょう。
抵当権を設定する際に覚えておきたいこと
抵当権は、融資を受ける際の担保として不動産に設定される権利です。
この権利は金融機関に付属しており、もし仮に債務者がローンを返済できなくなった際に不動産を競売に出し、その売却額でローンを回収する仕組みになっています。
この仕組みは、共有持分に対してのみ抵当権を設定する場合にも適用されます。
抵当権が実行されると共有持分が競売にかけられ、第三者に落札されてしまうかもしれません。
そのもしもの時のために必ず覚えておきたいのは、地上権・法定地上権の2つの概要です。
1.地上権
地上権は、他人が所有する土地を直接扱える権利のことです。地上権を有していれば、基本的に土地の貸し借りや建物の建造・売却・担保の設定を行う際、土地所有者から許可を得る必要はありません。
2.法定地上権
法定地上権とは、抵当権の実行による競売などで土地と建物の所有者が分かれた場合に発生する地上権です。
これらを加味すると、共有持分に抵当権を設定することは”ご自身だけの事情”で片付けることはできないといえるでしょう。
抵当権が実行されれば、共有者にとっては縁のない方と不動産を共有するリスクを負うことになり、不動産を思うように運用できなくなります。
そのため、共有持分に抵当権を設定し、安易にローンを組むことはおすすめできません。
共有持分に抵当権を設定する方法
共有持分に抵当権を設定するには、以下の手順を踏む必要があります。
・金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ
・抵当権設定契約を結ぶ
・法務局で登記申請をする
・金融機関に登記事項証明書を提出する
金銭消費貸借契約はローンの返済に関する契約、抵当権設定契約は共有持分を担保に抵当権を設定する契約です。
これらの契約が結べたら、法務局において登記申請を行いましょう。
必要書類は以下の通りです。
・抵当権設定契約書
・印鑑証明書
・本人確認書類
印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものしか効力がありませんので、注意してください。
手元にない場合は、市区町村の役所やコンビニで発行しましょう。
登記申請が完了すると、登記事項証明書が受け取れるようになります。
これを金融機関に提出すると、共有持分への抵当権の設定は完了です。
共有状態の不動産全体に抵当権を設定する場合は、共有者全員の同意が必要になります。
しかし、ご自身が所有している共有持分のみへの抵当権の設定は、他の共有者の同意が必要ありません。
単独で行うことができるので、手続きで他の共有者に何かをお願いすることにはなりません。
とはいえ、抵当権設定後のリスクを考えると、事前に相談してから行うことをおすすめします。
まとめ
共有持分のみに対してであれば、抵当権を設定することは可能です。
しかし、そもそも共有持分のみの担保を認めてくれる金融機関が少数であること、他の共有者にリスクを背負わせることになることを考えると、安易に行うのは避けた方が良いといえるでしょう。
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