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共有持分は共有者の同意がなくても放棄できる?手続きや条件を解説します!
不動産を共有している状態を解消する方法として、共有持分の放棄があります。
放棄した共有持分は不動産を共有している方に移ります。
確かに共有持分は本人の自由ですが、注意点も存在します。
そこで本記事では、不動産共有持分の放棄についてご説明しますので、ぜひご覧くださいね。
共有持分の放棄は本人の自由?
不動産を共有している場合、ご自身の持分は自由に放棄できます。
実際、民法の255条には、「共有者の一人がその持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は他の共有者に帰属する。」との記載があります。
共有者に連絡をせずとも持分放棄の効力は生まれますが、証拠を残すという意味でも書面で通知した方が良いでしょう。
不動産の共有持分を放棄する手続きを解説します!
では、共有持分の放棄はどのようなステップで申請すれば良いのでしょうか。
大まかには2つのステップがあります。
まずは持分を放棄する意思表示をしましょう。
意思を伝えるには、まず他の共有者に対して口頭で意思表示をします。
その後、事実を残すために内容証明郵便を利用して、他の共有者に対して再び意思表示を行います。
口頭で意思表示をする前にいきなり内容証明郵便を送ってしまうと、受け取り側が不快に思ってしまう可能性があります。
その後のやりとりが円滑に進まなくなる恐れもあるため、まずは口頭で伝えてから書類を郵送するようにしましょう。
仮に持分の放棄について訴訟まで発展した場合、内容証明が裁判での書類証拠になります。
この書類の内容が適切でないと、証拠として使えない可能性があるので注意してください。
内容証明郵便はご自身で郵送するのではなく、弁護士や司法書士に依頼し、代理で郵送してもらうのがオススメです。
次は共有持分移転登記を申し込みましょう。
これは共有持分を他人に権利を移動させる際に行う名義変更のことです。
1つ目のステップは1人でも実行可能ですが、このステップでは他の共有者とともに手続きを進める必要があります。
この申請を行う際には、法務局に申し出る必要があるのですが、以下のような提出書類を用意しなければなりません。
・登記申請書
・登記原因証明情報
・固定資産評価証明書
・登記識別情報
・登記義務者の印鑑証明
・登記権利者の住民票
・代理人に申請してもらう場合は委任状
それぞれの書類について解説していきます。
登記申請書は法務局の公式サイトからダウンロードできます。
書き方も掲載されていますので、参考にしながら書き進めていってください。
登記原因証明情報とは、登記するに至った背景を記載する書類です。
ご自身で作成できますが、司法書士に依頼することもできます。
固定資産評価証明書は、土地や建物のような資産の評価額を証明する書類です。
市町村の担当窓口で取得できます。
登記識別情報は、不動産の名義を変更したとき、新しく名義人になる方に対して登記所から送られてくる書類です。
これは不動産を管轄している登記所で発行されます。
登記義務者の印鑑証明に関しては、共有持分の場合、持分を放棄した方が該当します。
また、共有している不動産が遠くにあって、なかなか時間が取れずに出向けない場合、代理人に依頼して申請してもらえます。
その際には委任状が必要です。
他の共有者が登記申請の協力をしてくれなかったらどうすれば良い?
ではもし、持分を放棄したいのに他の共有者が協力してくれない場合はどうすれば良いのでしょうか。
その際は、2つの方法が挙げられます。
登記引取請求訴訟を利用する
これを利用すると、単独で持分を移動させることができます。
登記引取請求訴訟とは、持分を放棄した方が登記申請を行う権利があるということを裁判所に伝えることです。
これを行うためには、まずは内容証明郵便で意思表示を行い、「訴状」「添付書類」「証拠書類の写し」の3つの書類を裁判所に提出します。
訴状の作成はご自身でも可能ですが、基本的には弁護士に依頼する方が多いです。
添付書類としては、不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書を準備すると良いでしょう。
また、証拠書類として放棄の意思表示を行なった内容証明郵便の写しを用意して、裁判所に提出する用と被告に送付する用で2つ準備しましょう。
なお、この訴訟には裁判所にかかる手数料や弁護士に対する依頼費用、書類の郵送にかかる費用などがコストとして必要なので注意してくださいね。
裁判所にかかる手数料は不動産の固定資産評価額で決まることが一般的です。
また弁護士への依頼費用は依頼する事務所によっても異なりますが、相談金や着手金、成功報酬のような費用がかかってきます。
不動産会社へ売却して現金化する
共有持分の不動産を放棄するのではなく、売却してしまうという方法もあります。
この方法では、他の共有者の同意無く売却できますし、まとまった現金が手元に入ります。
また、無駄な時間をかけず、かつ共有者同士のトラブルを防げるのです。
ただし、一般的な不動産会社では共有持分の売買は取り扱っていない場合があるので、当社のような共有持分の不動産の取り扱い実績がある会社を選ぶようにしましょう。
まとめ
不動産の共有持分の放棄について解説しましたが、どのような流れで進むのか、イメージが湧きましたでしょうか。
共有持分を放棄するには、意思表示だけでは十分ではありません。
不動産の登記の変更、あるいは売却という方法があるので、ぜひ本記事を参考にスムーズに進めてくださいね。
編集者
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