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共有物分割請求でかかる弁護士費用は?相場や節約方法をご紹介
共有名義の不動産において、強制的に共有状態を解消する最終手段として、共有物分割請求があります。
手間や時間、さらには費用がかかることから、できれば当事者間の話し合いのみで解決したいところですが、話し合いができない状態であれば共有物分割請求は有効な手段です。
では、その際に依頼する弁護士の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
今回は、共有物分割請求における相場や弁護士費用、節約方法をご紹介します。
共有物分割請求にかかる費用の内訳
共有物分割請求では、およそ50〜150万円が相場となっています。
費用内訳は、裁判費用・弁護士費用・不動産鑑定費用の3つです。
裁判費用
裁判を起こすためには、裁判所に訴状を提出しなければなりません。
費用はその際に必要な印紙代、裁判所が当事者に共有物分割請求訴訟を通知するための郵便切手代の2つがかかります。
印紙代はおよそ3〜5万円が相場ですが、共有状態の解消を求める不動産の固定資産税評価額によって変わってくる点に注意してください。
郵便切手代は、通知をする共有者が1人の場合はおよそ6,000〜8,000円。
その後人数が増えるたびにおよそ2,000円ずつ追加されるのが一般的です。
弁護士費用
弁護士に依頼する際にかかる費用は、着手金と報酬金の2つに大別されます。(弁護士によっては相談料がかかることがあります)
着手金は依頼をした際に、報酬金は裁判で成功した際に支払います。
具体的な算出方法は後述しますので、そちらをご確認ください。
不動産鑑定費用
こちらは不要なケースもありますが、裁判の際の判断材料として不動産の価値を算出しなければならない場合があります。
その際に必要な費用は別途請求されることが多く、およそ20〜30万円かかるかもしれません。
とはいえ、不動産会社が出した査定書でも構わないケースもあるため、その場合には一切費用がかからなくなります。
弁護士費用の算出方法
弁護士費用の算出方法は、弁護士事務所によって変わってきます。
そのため、ここで具体的な金額を明示することはできません。
ただ、主に用いられている算出方法が2パターンありますので、順に確認していきましょう。
A.共有持分の時価の1/3を基に算出する方法
こちらは、案件が解決した際に得られる経済的利益を共有持分の1/3と仮定して、弁護士費用を算出する方法です。
例えば、以下のように費用を設定していることが多くあります。
・経済的利益300万円以下:着手金8%・成功報酬16%
・300万円超3,000万円以下:着手金5%+9万円・成功報酬10%+18万円
・3,000万円超3億円以下:着手金3%+69万円・成功報酬6%+138万円
このように、着手金・成功報酬の両方が経済的利益に比例するのが特徴です。
B.共有持分の時価の5~10%を報酬金とする算出方法
こちらの算出方法では、経済的利益を考慮しない代わりに、弁護士側で設定している報酬金の割合(共有持分の時価の5〜10%)を変動させません。
つまり、共有持分の時価が高くなるほど報酬金も多くかかります。
着手金については、一律30万円に設定するのが一般的です。
そのため、裁判が成功した際の合計金額は高くなりやすいですが、着手金のみの支払いになる場合はAパターンよりも安く済みます。
基本的に共有持分の時価が300万円以上であれば、AとBのどちらの算出方法でも合計金額に大きな差はありません。
ただ、訴訟が失敗した場合のことを考えると、着手金が一律の金額で定められているBパターンの方が費用を抑えられます。
共有物分割請求における弁護士費用を節約する方法
共有物分割請求を行うと、裁判費用・弁護士費用・不動産鑑定費用というように多くの費用がかかります。
こうした費用をなるべく節約するためには、これからご紹介する4つのポイントを検討してみてください。
1.弁護士事務所は相談無料&着手金が安いところを選ぶ
弁護士に依頼する際にかかる費用は、弁護士事務所側で自由に設定されています。
そのため、弁護士事務所を選ぶ際に相談無料であったり、着手金が安く設定されていたりすると、費用を節約できます。
ホームページで費用を確認してから選ぶようにしましょう。
2.法テラスを活用する
法テラスは国によって設立された機関であり、国民が法的な支援を受けやすくするために尽力しています。
トラブルを無料で相談できる他、弁護士費用を立て替えてもらえる制度(一定の条件があります)もあるため、積極的に利用しましょう。
3.司法書士を検討する
共有持分の時価が140万円以内であれば、弁護士ではなく司法書士に依頼するのがおすすめです。
司法書士は弁護士よりも費用を低く設定していることが多いため、司法書士に依頼することで費用を節約できる可能性があります。
ただ、持分の時価が140万円を超える場合は、法的に司法書士では取り扱えない案件になるため、弁護士でなければなりません。
4.本人訴訟を行う
本人訴訟とは、弁護士に依頼することなく、ご自身のみで裁判を進めることを指します。
弁護士へ依頼する際にかかる費用を全てカットできるため、大幅な節約に繋がります。
しかし、裁判では法的知識がなければ有利な判決を得られません。
多くの手間もかかるため、法テラスの立て替え制度も検討しつつ、最終手段として考えておきましょう。
まとめ
共有物分割請求にかかる弁護士費用は、共有持分の時価によって変わってきます。
具体的な算出方法は2パターンありますが、どちらでもそこまで大きな金額の差は生じません。
ただ、訴訟が失敗した場合には着手金が一律に定められている方が安く済むため、その点を考慮しながら検討してみてくださいね。
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