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COLUMN

  • 共有私道に接する土地は売却できる?権利の有無に注意!

複数人で私道を共有している状態である「共有私道」は、共有者それぞれが私道への権利を持っているため、複雑になりやすいケースです。
特に、共有私道に接した土地の場合には「そもそも売却が可能なのか」が気になる問題となります。
今回は、共有私道についての基礎知識や共有私道に接した土地の売却について解説します。

共有の私道についての基礎知識

私道は、国・自治体が所有している公道とは異なり、個人・法人などが所有している道路のことです。
私道の通行や管理には、所有者からの許可が必要であり、それは共有の私道でも変わりません。
たとえ私道の所有者でも、他に共有者がいる場合には承諾を得てからでなければ、通行したり工事を行ったりすることはできません。

私道の共有方法には、2つの種類があります。

1.共同所有型
共同所有型の私道は、私道全体を複数人で共有している状態を指します。
私道全体に対して、各自で所有している敷地面積に応じて持分が決まるのが特徴です。
持分は決まるものの、所有の権利はあくまで私道全体になるため、通行するだけであれば他の共有者から承諾を得る必要がありません。

ただ、変更や処分を伴う行為に関しては、共有者全員の同意が必要になります。
樹木の伐採のように管理行為であれば過半数の了承でも構いませんが、基本的に他の共有者に相談してから行う必要があることを押さえておきましょう。

2.相互持合型
相互持合型の私道は、私道を分筆してそれぞれで所有している状態を指します。
分筆とは1つの土地を複数に分割することであり、見かけは1つの土地であるものの、実際はパズルのピースのように所有者が分かれているのが特徴です。

共同所有型の私道とは異なり、私道に対して持っている権利は部分的になります。
そのため、他の方が所有している道を通行するには、その所有者から承諾を得なければなりません。

共有私道に接する土地でも売却できる

共有私道に接する土地であっても、売却することは可能です。
ただ、権利関係が複雑になっているため、買主はリスクを恐れて購入を躊躇してしまう可能性が高くなります。
そのため、闇雲に売却しようとしても、売却活動が長引いてしまうかもしれません。
共有私道に接する土地を売却する際は、買い手が安心できる情報を提供することを心がけましょう。

1.共有私道の持分を明確にする
まず、買い手の不安材料となる共有私道に関しての情報を明らかにしましょう。
ご自身の共有状態は、法務局で確認することができます。
境界線や所有者など、土地に関する情報がまとめられた「公図」を取得し、地番を確認してください。
地番が判明したら「登記事項証明書」を発行してもらい、共有状態を確認します。

2.承諾書を作成する
前述のように、私道の共有状態によっては通行するのにも他共有者の許可が必要な場合があります。
許可がなければ後のトラブルに発展する可能性もあるため、「承諾書の有無」が買い手の大切な判断材料です。
必ず事前に他の共有者に確認し、承諾書を作成しておきましょう。

これら2つのことを徹底した上で、売却に臨むことが大切です。

売却する際の注意点

私道が建築基準法を満たしている道路なのかを確認する

現行の建築基準法は、1981年の6月に改正が行われました。
そのため、1981年以前に作られた道路の場合には、現行の建築基準法を満たしていない可能性があります。
その場合、再建築・建て替え・増改築に制限がかかるため、資産価値に影響を及ぼします。
取引価格が変わってくる可能性がありますので、売却前に必ず確認しておきましょう。

私道の持分がなくても通行権の確保をする

稀なケースではありますが、共有私道に持分がない場合もあるでしょう。
その場合、土地を出入りする度に「私道を利用させてもらっている」立場になるため、もし持分がなくても通行権だけは確保しておくことが重要です。
私道の所有者に話をして、権限について明確にしましょう。

*私道にかかる費用を明確にする

私道を共有していると、他の共有者に対して通行料・整備協力金などの費用を支払わなければならないことがあります。
共有私道に対してかかる年間費用について明確にできていると、買い手も将来的なコストを加味した上で購入を判断できるため安心です。

私道によっては、維持管理のために定期的にメンテナンスや補修工事を行っている場合もあるでしょう。
おおよそでも構いませんので、年間にかかる費用を算出して買い手に情報を公開しましょう。

まとめ

共有私道に接した土地であっても、ご自身の持分の範囲内であれば売却することは可能です。
ただ、権利関係が複雑になりやすく、トラブルの元になったり買い手が見つからなかったりする可能性があります。
権利関係を明確にし、私道の共有にかかる費用を公開することで、買い手に安心感を与えましょう。

編集者

【監修】共有持分サポート
【監修】共有持分サポート
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