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土地の相続税が払えない場合どうなる?延納や物納制度と土地売却の活用法

土地を相続する機会は、人生においてそう頻繁にあることではありません。
しかし、相続した財産によっては、多額の相続税が発生する可能性があり、その納付方法について頭を悩ませる方もいらっしゃるでしょう。
特に、財産の大部分が土地などの換金しにくい不動産である場合、納税資金の準備は大きな課題となり得ます。
万が一、相続税の支払いが困難になった場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
相続税が発生する条件と払えない状況
基礎控除額と相続税の課税割合
相続税は、相続財産の合計額が一定の金額を超えた場合に課税されます。
この一定の金額とは、基礎控除額のことを指します。
基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で算出されます。
例えば、法定相続人が3人いる場合、基礎控除額は4,800万円となります。
相続した財産の価額がこの基礎控除額を超えた場合に、相続税の課税対象となります。
国税庁の統計によると、実際に相続税が課税される人の割合は全体の1割程度とされており、多くの方は基礎控除額の範囲内で収まるか、各種特例によって非課税となるケースが多く見られます。
換金しにくい財産が多い状況
相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税を納付する必要があります。
相続税は原則として現金一括で納付しなければなりませんが、相続した財産が土地や建物といった不動産ばかりである場合、現金化に時間や手間がかかるため、納税資金をすぐに用意するのが難しいことがあります。
不動産は、すぐに売却できるとは限らず、買い手が見つかるまでに時間がかかったり、希望する価格で売却できなかったりする可能性もあるため、納税資金の準備が困難になるケースが多いのです。
相続預金が引き出せない状況
相続税の納税資金として、被相続人(亡くなった方)が残した預貯金を使おうと考える方は少なくありません。
しかし、被相続人の口座は、その方が亡くなったことが金融機関に確認されると、原則として凍結されてしまい、遺産分割協議が完了するまで引き出すことができなくなります。
遺産分割協議が長引いたり、相続人同士で意見がまとまらなかったりすると、納税期限までに納税資金として充てるはずだった預金が利用できず、現金での納税が困難になる事態が生じることがあります。
もっとも、2019年の相続法改正により、このような不都合を緩和する制度として「預貯金の払い戻し制度」が創設されました。
この制度を利用すれば、遺産分割協議が成立していない段階であっても、相続人は一定の限度額まで被相続人の預貯金を払い戻すことが可能です。
具体的には、各金融機関ごとに「口座残高の3分の1×法定相続分」(上限150万円)まで、家庭裁判所の手続きを経ることなく引き出すことができ、相続税の納税資金に充てることも認められています。
ただし、この仮払金はあくまで相続財産の一部を先行して受け取るものに過ぎず、最終的には遺産分割の中で精算される点には注意が必要です。また、相続税が高額な場合には、この制度による払い戻しだけでは納税資金が不足するケースも少なくありません。
土地の相続税が払えない場合の対処法
延納や物納制度を利用する
相続税の一括納付が難しい場合、延納制度を利用できます。
延納とは、最大20年まで分割して相続税を納付できる制度です。
分割で納付できるため、財産を手放さずに済むというメリットがありますが、延納期間中は利子がかかるため、最終的な納税額は増えることになります。
また、延納制度を利用するには、相続税額が10万円を超えること、金銭での納付が困難であること、担保を提供することなどの条件を満たす必要があります。
もう一つの方法として、物納制度があります。
これは、現金で納税するのが難しい場合に、相続した土地などの財産で相続税を納める制度です。
ただし、物納できる財産は国税庁が定めたものに限られ、延納でも納付が困難であることなど、利用できる条件は厳しいものがあります。
相続した土地を売却して納税する
相続した土地を売却し、その売却代金を相続税の納税資金に充てるという方法も考えられます。
土地を売却するには、まず相続登記を行い、相続人への名義変更をする必要があります。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を速やかに進め、売却について全員の合意を得ることが重要です。
不動産の売却は、買い手が見つかるまでの期間や、希望する価格で売却できるかどうかが不確定要素となりますが、現金化して納税資金を確保する有効な手段となり得ます。
金融機関から融資を受ける
相続税の納税資金を確保するために、金融機関から融資を受けるという選択肢もあります。
相続税の納税資金に充てられるローン商品も存在します。
延納制度を利用するよりも、融資の金利が低い場合は、利子負担を抑えられる可能性があります。
ただし、融資を受けるには審査が必要であり、担保や保証人が求められる場合もあります。
金融機関によって条件は異なるため、慎重に検討する必要があります。
相続税を払わないとどうなるか
延滞税や加算税が発生する
相続税の申告期限である相続開始から10か月を過ぎても申告や納税を行わない場合、延滞税や無申告加算税といったペナルティが課されます。
延滞税は、納付期限の翌日から納付するまでの期間に応じて加算される税金です。
一方、無申告加算税は、期限内に申告しなかったことに対して課される税金で、納付すべき税額に対して一定割合が加算されます。
これらの加算税や延滞税は、本来納めるべき相続税額に上乗せされるため、納税負担がさらに増加することになります。
財産が差し押さえられるリスク
相続税の申告や納税を怠り、税務署からの督促にも応じない状態が続くと、最終的には財産が差し押さえられるリスクがあります。
差し押さえの対象となるのは、預貯金や株式などの金融資産、給与、そして不動産などが考えられます。
財産が差し押さえられると、社会的な信用を失うだけでなく、相続した大切な財産を失うことにもなりかねません。
相続税の支払いが困難な状況になった場合は、期限を過ぎる前に延納や物納、融資などの対処法を専門家にも相談しながら検討することが極めて重要です。
まとめ
土地を相続した際に発生する相続税は、その金額や納税方法について事前に理解しておくことが大切です。
相続財産に不動産が多く含まれる場合、現金化の難しさや相続預金の凍結などから、納税資金の準備が課題となることがあります。
しかし、延納や物納といった制度の活用、相続した土地の売却、金融機関からの融資など、支払いが困難な状況でも納税するための様々な方法が存在します。
これらの対処法を理解しておくことで、税金滞納による延滞税や加算税、さらには財産差し押さえといったリスクを回避し、円滑な相続手続きを進めることができるでしょう。
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