共有持分(共有名義)の不動産トラブルで
お困りの方は共有持分サポートへ

COLUMN

  • 夫婦の住宅ローンで支払いの負担割合を変更したい場合は注意が必要

「お仕事を辞めるため、収入が減った」「パートになって扶養に入ることになった」など、ライフスタイルの変化は住宅ローンの負担割合にも直接的に影響します。
夫婦で住宅ローンを組んでいる場合、支払いの負担割合を変更するには持分割合の変更もしなければなりません。
そして、移転した持分の割合はそのまま贈与の対象になるため、贈与税についても注意が必要です。
今回は、住宅ローンの支払い割合を夫婦で変更する場合について解説します。

夫婦の住宅ローンの負担割合を変更する場合は持分割合の変更もしなければならない

そもそもの話ではありますが、夫婦で購入した不動産(夫婦で住宅ローンを支払うも同義)には「持分割合」を決めて、法務局において登記をする必要があります。
持分割合とは、共有名義の不動産に対しての所有権の割合を示すものです。
所有権の割合ですので、持分割合によってその不動産に対してできる行為の範囲が変わってきます。
例えば、持分割合を売却するなどといった行為では、持分割合が大きいほど価値も高くなるというわけです。

持分割合は「不動産を購入したときに支払った金額の比率」に応じて決めるのが原則とされています。
例えば5,000万円の不動産に対して夫が4,000万円・妻が1,000万円を出資した場合には、持分割合は夫が4/5・妻が1/5です。
これは連帯債務型の住宅ローンでも例外ではなく、負担割合を半分ずつと最初に決めたのであれば持分割合は1/2ずつとなります。

こうした経緯から、夫婦の住宅ローンの負担割合を変更する際には、持分割合の変更も必要になります。
もし仮に変更しなかった場合には、登記上の持分割合と差があると判断され、「夫婦間で共有持分の贈与が発生している」と見なされてしまうかもしれません。
意図していなくても贈与税が課されることになりますので、十分に注意してください。

間違えて登記した場合には変更できる

「ローンの支払い負担の割合が持分割合になるとは知らなかった」「夫婦だから半分で良いか」といった理由から、間違えて登記してしまうケースが決して少なくありません。

前述のように、登記上の情報に差分があると判明すれば、本来であれば不必要だった「贈与税」を支払わなければならなくなります。
間違っていることに気づいた場合には、速やかに「持分更正登記」を行いましょう。

持分更正登記は、以下の手順に従って行ってください。

1.登記申請書を作成する
2.書類を用意する
3.法務局にて申請
4.新たな書類を受け取って完了

必要書類は、持分が増える人と減る人で異なります。
どちらも必須の書類は、以下の2つです。
・登記原因証明情報:なぜ登記を間違えたのかを証明する書類
・委任状:司法書士などの第三者に手続きを依頼する場合に必要

持分が増える人は、以下の2つを用意してください。
・認印
・本人確認書類

持分が減る人は、以下の4つが必要です。
・登記識別情報もしくは登記済証
・3ヶ月以内に発行した印鑑証明書
・実印
・本人確認書類

登記申請書は、法務省のHPにて書式がダウンロードできるようになっています。
活用しながら作成するとスムーズでしょう。
なお、登記する際には登録免許税が必要になるため、1,000円の費用がかかります。
手続きに不安がある場合は司法書士に相談するなどして進めるのがおすすめです。

一旦合意した上で割合変更したい場合には贈与税がかかる

住宅ローンの負担割合の変更は、そのまま持分割合の負担割合を変更することにつながります。
さらに、持分割合の変更はその分が贈与と見なされるため、贈与税の課税対象となります。
負担割合を決める際に両者で「合意」をしたのであれば、それは先ほどご紹介したような「登記の間違い」には該当しません。
そのため、割合変更をしたいのであれば、贈与税がかかることを受け入れる必要があります。

ただ、贈与税には年間110万円までの基礎控除があるため、住宅ローン支払いの変更割合が110万円以内に収まるのであれば、贈与税が課税されず、申告の必要もありません。

贈与税が110万円以上になってしまう場合でも、婚姻期間20年以上の夫婦であれば「配偶者控除」の特例を適用することができます。
基礎控除と合わせて活用でき、最大2,110万円まで贈与税がかかりません。
一定の要件を満たしている必要があり、さらに一度適用を受ければ再度使用することはできない点に注意が必要です。

一旦合意した上での割合変更において、贈与税の課税対象になるのを避けることはできませんが、基礎控除や配偶者控除などを上手く活用すれば負担を軽減できるようになります。
住宅ローンの割合を変更する際には、国税庁のHPを確認しておきましょう。

まとめ

住宅ローンに対しての出資額の割合は、そのまま持分割合となります。
そのため、住宅ローン支払いの負担割合を変更したい場合には、持分割合変更の手続きが必要になる点に注意しましょう。
変更には手続きが必要な他、共有持分の贈与と見なされて贈与税の課税対象となります。
基礎控除や特例などを上手く活用して、贈与税の負担を少しでも減らせるよう動くのがおすすめです。

編集者

【監修】共有持分サポート
【監修】共有持分サポート
不動産の共有名義による「相続」「離婚」「相続後」などの親族間トラブルを抱えている方は共有持分サポートへ。当社では弁護士、司法書士、不動産鑑定士、税理士などの専門分野のスタッフが共同で問題解決のために取り組むことで、素早い対応が可能となっております。
本社を置く大阪だけではなく、全国エリアをカバーしており、これまでも遠方にお住まいのお客様の問題解決を数多く対応させていただいた実績がございますので、どなたでもお気軽にご相談下さい。

共有持分不動産の問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

  • お電話での無料相談はこちら

    1. 無料相談はこちら

    1. 受付時間

    2. 10:00~20:00【年中無休】