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未登記建物の共有持分は売却できる?売却の可否や相続時の注意点を解説します!
建物や土地などの不動産は登記する必要がありますが、実は登記されていない場合もあります。
未登記建物でありかつ共有している状態であると、これからの取引においてトラブルに発展する恐れが考えられます。
そこで、今回は未登記建物の共有持分の売却や相続における注意点、未登記建物を放置するリスクについて解説します。
未登記建物の共有持分は売却可能ですが注意が必要!
未登記建物の共有持分は売却可能です。
建物全体または持分を売却、もしくは建物を解体して更地を売却するという2択があります。
未登記建物を解体して更地を売却する場合は建物について登記は必要ありません。
一方で、建物全体または持分を売却する場合は、以下の3つの注意点があります。
1:売却プロセスと共有者の同意
共有している未登記建物を売却する場合、共有者全員の同意が必須です。
共有者間で意見の不一致がある場合、売却は困難になります。
また、共有持分の売却には、遺産分割協議や法定相続分を考慮する必要があります。
共有者間での売却の条件、代金の分配について、事前に十分な話し合いをすることが重要です。
2:売買契約書の重要性
未登記建物の取引では、取引の透明性を保ち、トラブルを防ぐために正式な売買契約書の作成が不可欠です。
契約書には、物件の詳細、売買条件、支払い方法など、取引のすべての要素を明記する必要があります。
3:市区町村への届出
未登記のまま売買するか、売却前に登記するかは、売主と買主で検討する必要があります。
売主が登記をする場合、共有者全員の協力が必要です。
買主が取引後に登記できますが、それには建物の詳細な測量が必要となる場合があります。
未登記建物を放置するリスクと法的義務
未登記建物を放置することは、多くのリスクと法的義務を伴います。
不動産としての価値を保持するためには、登記に関する適切な手続きが不可欠です。
ここでは、未登記建物を放置することの違法性について、表題登記と相続時の対応とともに解説します。
未登記のまま放置することの違法性
未登記の建物を放置することは、不動産登記法に違反します。
新築した建物の所有者は、所有権を取得した後1ヶ月以内に表題登記の申請を行う義務があります。
未登記の建物を放置することは、法的に問題があるだけでなく、所有権が誰にあるかが明確にならないためにトラブルに発展するリスクもあるので避けましょう。
表題登記の必要性
表題登記は、新築物件を初めて登記することを指します。
しかし、住宅ローンを利用せずに自宅を新築した場合、表題登記をしていない場合もあります。
表題登記を行わないと、所有権の確定や今後の取引に支障を来たす恐れがあるため、確実に行うことが重要です。
相続時の対応と法改正の影響
未登記建物であっても相続対象となりますが、2021年の法改正により、相続登記の義務化が進んでいます。
相続人が建物を相続した場合、定められた期限までに相続登記を行う必要があり、未登記のまま相続すると後に手続きが複雑になる可能性が高くなります。
相続時の未登記建物:解体から税金までの注意点
未登記建物を相続する際には、いくつかの重要な注意点があります。
ここでは相続後のトラブルを防ぐために必要な、解体の選択、遺産分割協議の重要性、および相続税に関する情報を解説します。
1:未登記建物の取り壊しと登記
未登記建物を相続し、解体を選択する場合、登記は必要ありません。
ただし、翌年以降も固定資産税を支払うことがないように、家屋滅失届を提出することが重要です。
解体後、速やかに法務局へ家屋滅失届を提出しましょう。
2:遺産分割協議の重要性
共有名義を解消しないまま相続をすると、将来的な売却や改築に際して共有者全員の合意が必要となるため、トラブルが生じる可能性があります。
トラブルを防ぐためにも、遺産分割協議で不動産の受け継ぎ方や売却金額の公平な分配について話し合うことをおすすめします。
3:未登記建物の相続税
未登記建物も固定資産として扱われるため、相続税が課せられることにも考慮しましょう。
相続税は、遺産の課税価格から基礎控除額を差し引いた額に対して計算されます。
基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算され、この額を超える財産に対して相続税が課せられます。
ここまで多くの注意点を解説してきましたが、他にも税金や法律など共有持分の取引について把握することがあります。
当社では不動産の共有持分の取引についてサポートしておりますので、ご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。
まとめ
未登記建物の共有持分の処分については、通常の建物の共有持分と同様に、共有者全員の同意が必要です。
建物が未登記のままである場合は、将来トラブルに発展する恐れがあるだけではなく、法律違反にもなるので、なるべく早く対処しましょう。
建物を解体する場合も、余分に税金を支払うことがないように家屋滅失届を提出することに注意しましょう。
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