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相続人と連絡が取れない際の対処方法について解説します!
住宅や土地等不動産の相続をした場合、一般に相続手続きを行わなければなりません。
手続きの中には相続人全員で行わなければいけないものがあります。
そこで発生する可能性があるのが、「相続人と連絡が取れない」という問題です。
「(相続人と)連絡がとれないからそのままにしておこう」と放置する事は相続人の複雑化(数次相続の発生)等の問題が発生する可能性があり本記事ではこの状態への対処法をご紹介します。
□相続人と連絡を取れないままに相続を進めても良いのか?
相続人と連絡が取れない場合、相続を進めるためには適切な手続きを取る必要があります。
遺産分割協議は、必ず全員で行う必要があります。
そのため、一人でも相続人が欠けていれば協議は無効となります。
相続する預貯金の引き出しや相続の手続きのためには、「遺産分割協議書」が必要となります。
そしてこの協議書には、相続人全員の自署と押印が必要となります。
また、この協議書の他に「戸籍謄本」と「印鑑証明」も必要書類として求められ以上が揃わない場合は、不備があるとして却下されます。
このように、仮に相続人がいない状況でそのまま相続を進めても、徒労に終わります。
そのため、一般的には全員が揃っていない時には相続を進められないのです。
ただし、どうしても相続人と連絡が取れない事もあるでしょう。
以下では、そのようなケースにおける対処法をご紹介します。
遺言書があり、その遺言書が有効とされるケースもあります。
このケースでは、相続人として指定されている人とだけ連絡が取れれば相続可能です。
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□相続人の状態別の対処法
*相続人が音信不通のとき
相続人が音信不通のケースにおける対処は、以下の流れで行います。
1.戸籍謄本を取得して親族関係を明確化する
戸籍謄本とは、本籍地の役所に保管されている戸籍の写しです。
戸籍には出生~死亡までの身分関係の情報が記載されています。
したがって、親族関係を明らかにするのに戸籍謄本は有効です。
2.戸籍の附票を取り寄せて相続人の住所を確認する
戸籍の附票とは、現在までの住所が記載された書類です。
相続人が判明次第、附票を取り寄せましょう。
*相続人が非協力的で連絡を無視するとき
1.様々な方法で連絡を取る
まずはどうにか説得できないか 相続人の家族等と連絡を取り説得を試してみましょう。
その上で連絡が取れない場合は、司法書士といった専門家に相談する必要があります。
2.家庭裁判所に遺産分割調停を申立てる
相続人が非協力的で遺産分割協議がどうしても困難な場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てるという方法もあります。
遺産分割調停とは、相続人の一人または複数人が申立人となり、非協力的な相続人を相手方として申立てます。
遺産分割調停を申立ていても相続人が裁判所に来ない場合、裁判官が遺産分割方法を指定します(遺産分割審判)。
*相続人が行方不明のとき
1.不在者財産管理選任を申立てる
不在者財産管理人とは、行方不明者の財産の管理人です。
行方不明者がいる場合、家庭裁判所に、その選任を申立てる必要があります。
申立てのときには、申立書や不在者の戸籍謄本、戸籍の附表、不在の事実を証する資料、不在の事実を証する資料等が求められます。
2.失踪宣言を申立てる
失踪宣言とは、一定期間行方不明の人を法律上死亡したものとみなす制度です。
失踪宣言には、7年間行方不明状態が続く行方不明者に対する「普通失踪」と、戦争や震災といった危難が去った1年後に受けられる「特別失踪」があります。
失踪宣言は、家庭裁判所に申立て、失踪宣告が出され次第相続手続きを進める事になります。
□遺産相続をせず放置してしまうとどうなる?
遺産分割を放置すると発生する問題は主に4つ挙げられます。
1つ目は、不動産活用ができなくなる事です。
相続が発生すると、不動産は法定相続人の共有状態となります。
遺産分割をしなければ、賃貸や売却といった不動産活用ができません。
一方で毎年の固定資産税や不動産の維持管理は費用がかかり続け、住宅または土地を遠方に居住しながら維持管理するという事は自身のライフプランにとってもデメリットのみ発生する恐れがあります。
2つ目は、相続財産を他の相続人や第三者に利用される可能性がある事です。
きちんとした遺産分割協議を行わない場合、この問題が発生します。
たとえば、建物を勝手に使用 (相続人が居住し始める・勝手に賃貸借される等)されたりといった問題につながるでしょう。
3つ目は、預貯金の払い戻しができない事です。
相続財産の中に預貯金が含まれているケースで遺産分割協議をしない場合に発生する問題です。
法改正により、故人の相続預貯金の中から葬儀費用の支払いや相続債務の返済等を賄う事ができるようになりましたが、必要以上に相続預貯金を引き出しされる事も預貯金が少なくなるというデメリットにつながります。
4つ目は、相続申告において不利益が発生する事です。
遺産分割協議が成立していないと、相続税の配偶者控除や小規模住宅の特例等の適用ができません。
相続税の申告は、被相続人が死亡した事を知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行う事になっています。
相続税を納付しなかった場合に発生するペナルティ(延滞税等)によって高額な相続税を払わなければならない可能性があります。
□まとめ
相続人と連絡が付かないまま、相続を進める事はできません。
一方相続手続きを放置すると、以下のデメリットが発生します。
・預貯金の払い戻しができない
・不動産活用ができなくなる
・相続財産を他の相続人や第三者に利用される可能性がある
・相続申告において不利益が発生する
したがって相続手続きは連絡が取れない場合であっても遺産分割協議(相続手続き)をする必要があります。
当記事では連絡の取れない相続人がいる場合のケース別の対処法もご紹介しました。
少々面倒ではありますが、相続手続きは必ず行いましょう。
編集者
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