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親子共有名義の名義変更について解説!
共有名義は夫婦や相続人の間だけではなく、親子間で登記されることもあります。
親子関係だからトラブルが生まれにくいと考えるかもしれませんが、相続が発生した場合は通常の共有状態の不動産と同じようなトラブルが発生する可能性があるのです。
そこで、今回は親子共有名義について名義変更の方法とともに解説します。
親子共有名義の不動産について
「不動産の共有」とは?
不動産の共有とは、複数人が同一の不動産を持分に応じて所有することを意味します。
例えば、親と子が共有名義で不動産を持っている場合、それぞれの持分が法的に認められています。
共有者の死亡時の持分
共有者の一方が亡くなると、その人の持分は相続財産となります。
この持分は自動的に他の共有者に移るわけではなく、相続人へ相続されることになります。
親子の共有名義であれば共有者である子が親の持分を相続できますが、他にも兄弟や配偶者がいる場合は相続人の間で協議する必要があります。
このように、相続持分を共有者である相続人が相続できるとは限りません。
共有者である相続人が相続できるようにするためには、遺言書を作成し、亡くなった共有者の持分が他の共有者に相続されるよう指定しておく必要があります。
共有者である相続人が相続することにより、共有名義の不動産によくあるトラブルを避けられます。
名義変更が必要な状況と手続き
1:親から共有持分を購入した場合の名義変更
親子関係であっても売買契約が成立する場合は名義変更が必要になります。
売買に必要な売買契約書に加えて、登記識別情報情報(登記済権利証)、印鑑証明書、住民票などが必要です。
また、通常の売買と同様に税金が課されます。
・印紙税:売買契約時にかかる
・登録免許税:不動産の名義変更時にかかる
・譲渡所得税:売主にかかる
・不動産取得税:買主にかかる
譲渡所得税は「譲渡所得(売却費用ー取得費ー譲渡費用)×税率」で求められます。
税率は所有期間によって異なり、5年以下であれば39.63%、5年超であれば20.315%です。
不動産取得税は「土地や建物の固定資産税評価額の4%」ですが、2024年3月31日までに取得したものであれば3%になります。
2:親から共有持分を贈与された場合の名義変更
贈与された場合も売買の場合と同様です。
贈与契約書や登記識別情報情報(登記済権利証)、印鑑証明書、住民票などが必要で、贈与契約時には印紙税、名義変更時には登録免許税が課されます。
また、受贈者は不動産取得税に加えて、贈与税を納める必要があります。
3:相続による名義変更
親が亡くなった際に子が共有持分を相続するケースでは、基本的に法定相続分に基づいて遺産を相続します。
ただし、相続人が複数存在し、法定相続分ではない形で相続したい場合は相続人全員で遺産分割協議を行い「遺産分割協議書」を作成し、相続登記の申請を行います。
相続登記には、被相続人の出生から死亡までの全ての除籍謄本、住民票の除票(または戸籍の附票の除票)、相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書、新しく名義人になる相続人の住民票などが必要です。
また、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税を申告、納税する必要がありますが、受け取る遺産が基礎控除額の「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の範囲内であれば納税義務はありません。
名義変更の手続きにおける留意点
親の共有名義を子の名義に変更する場合、以下の点に注意しましょう。
・親が認知症になる可能性
親が認知症になると、判断能力の低下から名義変更が困難になる恐れがあります。
名義変更をスムーズに進めるには、判断能力が低下した人の代理業務が可能になる成年後見制度を利用することがおすすめです。
判断能力が低下した後に後見人を決定することはもちろん、あらかじめ後見人に代行してもらう業務内容を決めることもできます。
・みなし贈与と扱われる可能性
親の持分を相場より低い価格で譲渡された場合、みなし贈与として税金が課される可能性があります。
相場は市場価値の評価額が基準になるのが一般的です。
家の名義変更をスムーズに行う方法
名義変更には、窓口申請、郵送申請、オンライン申請の3つの主要な方法があります。
それぞれメリットとデメリットがあるため、ご自身の状況に合った方法を選択することが重要です。
1:窓口申請
地域管轄の法務局の窓口に書類を提出する方法です。
足を運ぶ手間はありますが、不備があればその場で指摘を受けられるためすぐに修正できます。
2:郵送申請
地域管轄の法務局に書類を郵送する方法です。
不備があった場合は郵送や電話のやり取りが必要になりますが、法務局までの距離が遠い方には便利な方法です。
3:オンライン申請
インターネット上で名義変更の申請をする方法です。
ご案内ページを参考に申請する必要があり難しい点もありますが、日時を問わず申請できるというメリットもあります。
まとめ
親と共有状態の不動産を所有している子でも、相続が発生したら必ず親の共有持分を相続できるとは限りません。
生前に売買や贈与を受ける、または亡くなったあと遺産分割協議で遺産について話しあう必要があります。
また、親の判断能力が低下することやみなし贈与になる可能性も気をつけましょう。
当社では共有状態の不動産のお悩みについて解決するサポートをしております。
名義変更や相続についてお困りの際は、お気軽に当社にご相談ください。
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本社を置く大阪だけではなく、全国エリアをカバーしており、これまでも遠方にお住まいのお客様の問題解決を数多く対応させていただいた実績がございますので、どなたでもお気軽にご相談下さい。
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