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共有名義にすると固定資産税が安くなる?!総額は変わらないことに要注意!
「共有名義にすると固定資産税が安くなる」
こんな噂を耳にしたことはありませんか。
家や土地などの不動産を所有しているだけで固定資産税は発生するので、安くなるに越したことはないですよね。
そこで今回は、共有名義にすると固定資産税は安くなるのかについて解説します。
共有名義にしても固定資産税の総額は変わらない
そもそも固定資産税とは、固定資産を所有している方が市町村に納める税金のことです。
地方税法で定められているように、固定資産税は連帯納付です。
すなわち、共有者が何人いても、固定資産税の納付は連帯責任であるということです。
例えば、共有者が3人いる場合でも、それぞれが固定資産税の3分の1のみを納める義務を負っているというわけではなく、1人1人が全額を納める義務を負っているということです。
だからといって、3人それぞれが全額を納める必要はなく、誰かが固定資産税全額を納めることで、他の共有者の納税義務が消滅するという考え方なので、ご安心ください。
共有名義の不動産の固定資産税の払い方
固定資産税は、毎年1月1日時点における不動産の所有者に対し、3年に1度見直される不動産評価額に基づいて課税されるものです。
共有名義の場合は、単独名義と比べて支払い方が少し複雑なのでご紹介します。
代表者に納税通知書が届く
固定資産税の納税通知書は、共有名義の代表者のもとに届けられます。
共有名義だからといって、全ての共有者に納税通知書が送付されるわけではないので、注意してくださいね。
代表者の選定方法は、共有者同士で協議し代表者を選んで自治体に届け出る方法か、自治体が任意に代表者を選定する方法かのどちらかです。
納税義務は全ての共有名義人が負う
先述の通り、全ての共有者に納税義務が発生します。
代表者が他の共有者の分まで立て替えたり、持分割合に応じてお金を出し合ったりするなどは自由です。
按分(あんぶん)できない
前述の通り、共有不動産における固定資産税の納付義務は、全ての共有者が負います。
しかし、「共有名義人ごとに持分割合に応じて納税することはできない」とも定められており、これをややこしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
代表者が立て替えて支払った後に、共有者から立て替えた分の金額を回収するか、納税期限までに前もって徴収し、代表者がまとめて支払うかのどちらかが一般的です。
お住まいの自治体によっては、所定の手続きを行うことで共有名義人ごとに固定資産税を支払える場合もありますので、確認してみてくださいね。
代表者がまとめて支払う
基本的には、代表者がまとめて固定資産税を支払います。
代表者の選任方法は、「話し合いで決める」「自治体が任意で決める」という2つの方法があります。
話し合いで決める際には、「共有資産代表者選定届」を役所に提出しなければなりません。
話し合いで代表者が決まらず届け出をしなかった場合には、自治体が任意で代表者を判断します。
一般的には、以下のような基準で決められます。
・法人
・持分割合が多い
・市区町村に居住している
・世帯主
・登記簿の所有権に関する事項に記載されている順番
また、一度代表者を決めた後でも、代表者を変更したい場合もありますよね。
その場合、申請書や届出書などの提出書類に新旧それぞれの代表者の署名捺印をし、提出することで変更できます。
固定資産税を節税するには
1.税法上の軽減措置を使う
固定資産税には税法上の軽減措置があり、条件を満たすことで減額や免除が期待できます。
主に以下のような特例や減額措置を受けられる可能性があります。
・小規模住宅用地の特例
・「公共の用に供する道路」の非課税措置
・新築住宅に係る固定資産税の減額措置
2.不動産の評価額が正確か調査する
固定資産税は、固定資産税評価額に標準税率をかけて計算されます。
しかし、土地によっては評価額が間違っていることも考えられます。
例えば、先祖代々受け継いできた土地は、実際の面積と登記簿上の面積が異なっている場合があります。
余分に課税されてしまっているケースもあるので、正確な測量をすることで、固定資産税を下げられる可能性もあります。
3.共有持分を処分する
共有している不動産を使用しておらず、今後も使用予定がない場合は、処分を検討してみましょう。
所有していなければ固定資産税も支払わなくて良いので、コスト削減が期待できます。
ここで、共有不動産全体の処分は、共有者全員の同意が必要なため難しいことも。
そこで、自分の共有持分だけを処分する方法がおすすめです。
他の共有者からの同意も必要ないので、いつでも好きなタイミングで手続きを進められます。
まとめ
「共有名義にすると固定資産税が安くなる」というのは間違った認識であり、共有者全体で連帯責任を負って全額を支払わなければなりません。
固定資産税を支払うときは、代表者の元に納税通知書が届くので、忘れずに納税しましょう。
また本記事では、固定資産税を節税できる方法もご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
編集者
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