-
不動産を共有名義から単独名義に変更する方法とは?
不動産を共有名義で所有し続けることはトラブルの元になるため、避けたほうが良いとされています。
現在、共有名義の不動産を所有していない場合でも、何かのきっかけで所有することになる可能性があるため、単独名義に変更する方法や共有状態を解消する方法は知っておいて損はありません。
そこで、今回は不動産を共有名義から単独名義に変更するケースとその方法、かかる費用について解説します。
不動産を共有名義から単独名義に変更するケース
相続
相続による共有名義の変更は、故人が持っていた不動産の共有持分が相続人に移行する際に生じます。
単独名義で所有していた不動産が複数の相続人によって共有されるようになる場合も、共有名義の状態に変わります。
しかし、相続によって共有持分を所有することはトラブルの元になるため、共有名義から単独名義に変更するケースが多いのです。
離婚
離婚後に夫婦間で共有していた不動産をどちらかが住み続ける場合、名義変更が必要になります。
離婚の場合、共有名義だった不動産を一方の名義に変更することが一般的です。
また、ローンが残っている場合は、名義変更前に金融機関に相談する必要があります。
売買や贈与
共有不動産を売却する場合や、贈与によって所有権が移転する場合も、名義変更が必要です。
売買取引においては、登記原因証明情報に売買の経緯を記載する必要があります。
贈与の場合は、契約書の有無にかかわらず、登記申請時に贈与の事実を記載することが求められます。
不動産を共有名義から単独名義に変更する方法
共有名義を単独名義に変更し、共有状態を解消する方法はいくつかあります。
ご自身の状況に合った方法を選択できるように、それぞれの方法の特徴を理解しておきましょう。
共有不動産全体を売却する
共有不動産の全体売却は、不動産の名義を買主に移転させることで共有状態を解消します。
しかし、共有者全員の同意が必要となるため、共有者間で意見が一致している必要があります。
共有者間で意見の対立がある場合は、この方法は選択しにくくなります。
共有者間で持分を売買・贈与する
共有者間で持分を売買または贈与し、一方に全ての持分を集める方法です。
特定の人だけが共有状態から抜け出す、または全員で共有状態を解消することで単独名義に変更することもできます。
ただし、この方法も共有者間で合意が取れる場合に限られます。
共有名義の土地を分筆する
共有名義の土地を複数の土地に分筆登記し、それぞれの土地を単独名義に変更する方法です。
建物が存在しない土地に適していますが、分筆後の土地の使い勝手や資産価値が下がってしまう可能性があるため注意する必要があります。
共有物分割請求
共有物分割請求とは、他の共有者に対して、共有名義の解消を求める方法です。
合意が得られない場合は裁判に発展する可能性がありますが、共有物の活用について譲れない希望がある場合に有効です。
持分のみを第三者に売却
自身の持っている共有持分のみを第三者に売却し、共有名義から抜け出す方法です。
他の共有者の合意は必要なく、共有持分の買取業者であれば最短日数で売却できます。
不動産の名義変更にかかる費用
共有名義から単独名義に変更する方法はどれも以下のような費用がかかります。
方法を決める際に費用を考慮するのも1つの手です。
司法書士への報酬
不動産の名義変更で登記を司法書士に依頼する場合、報酬費用が必要です。
報酬は登記の内容や複雑さによって異なりますが、平均的には所有権移転登記で20,000円から100,000円程度です。
登録免許税
登録免許税は、不動産の登記に際して必要となる税金です。
登記の理由によって計算方法が異なりますが、一般的には固定資産税評価額に各税率をかけた金額が登録免許税になります。
印紙税
不動産の売買契約書や贈与契約書には、印紙税が課されます。
売買金額に応じて所定の印紙を貼付する必要があり、その金額は売買金額によって変動します。
不動産取得税
不動産取得税とは不動産を取得する際に課される税金で、土地や家屋によって計算方法が異なります。
新築住宅や耐震基準に適合する中古住宅用土地の場合、税額の軽減措置が適用されることがあります。
譲渡所得税・贈与税
不動産の売却による利益がある場合は譲渡所得税が課され、贈与による不動産の取得の場合は贈与税が課されます。
譲渡所得税は「譲渡所得(売却価格-取得費-譲渡費用)×税率」で求められ、条件に当てはまる場合は特別控除を受けられることもあります。
贈与税は「基礎控除後の課税価格×税率」で求められ、譲渡所得税は所有期間、贈与税は価格によって税率が変動します。
まとめ
不動産を共有名義から単独名義に変更するケースには、相続や離婚、売買・贈与が挙げられます。
単独名義への変更の際は、不動産全体を売却、持分を他の共有者または第三者に売却、土地の分筆といくつか方法があり、最終的には共有物分割請求という法的な手続きも用意されています。
当社では相続や離婚における不動産の共有持分の扱いについてサポートしております。
共有持分についてお悩みの方は、お気軽に当社にご相談ください。
よくある質問
Q1.共有者が亡くなった場合、単独名義にまとめるには?
相続人間で遺産分割協議を行い、共有持分を相続または移転し、登記を行う必要があります。協議がまとまらない場合は調停や訴訟も検討されます。
Q2.持分を放棄して単独名義にする方法とは?
自分の持分を放棄することで、他の共有者に持分が帰属し、結果として単独名義になります。ただし、登記手続きには他の共有者の協力が必要で、「みなし贈与」と認定される可能性もあります。
Q3.共有名義の相手と連絡が取れない場合、単独名義に変更できる?
相手の合意がないと原則名義変更はできません。連絡不能な場合は、家庭裁判所を通じた共有物分割請求や不在者財産管理人の選任など法的手続きが必要です。
Q4.単独名義にしたあと、元の共有者に税金がかかることはある?
売却や贈与の形式によっては、譲渡所得税や贈与税の対象になります。安易に「0円で贈与」などを行うと、思わぬ課税につながることも。
Q5.住宅ローンを完済していない共有不動産を単独名義にするには?
ローン契約者の変更(債務引受)や金融機関の承諾が必要です。手続きが複雑なので、銀行と早めに協議することが大切です。
編集者

-
不動産の共有名義による「相続」「離婚」「相続後」などの親族間トラブルを抱えている方は共有持分サポートへ。当社では弁護士、司法書士、不動産鑑定士、税理士などの専門分野のスタッフが共同で問題解決のために取り組むことで、素早い対応が可能となっております。
本社を置く大阪だけではなく、全国エリアをカバーしており、これまでも遠方にお住まいのお客様の問題解決を数多く対応させていただいた実績がございますので、どなたでもお気軽にご相談下さい。
最新の投稿
- 2025年8月20日登記コラム不動産所有者必見!住所等変更登記義務化への対応策
- 2025年8月5日登記コラム不動産所有者必見!2026年4月の住所変更登記義務化-手続き方法と罰則について-
- 2025年7月20日共有持分コラム親族と共有名義不動産・認知症によるリスクと解決策
- 2025年7月5日共有持分コラム共有名義人が自己破産したら他の共有者への影響はどうなる?リスクと軽減策を解説!
共有持分不動産の問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
-
お電話での無料相談はこちら
-
-
無料相談はこちら
-
-
-
受付時間
-
10:00~20:00【年中無休】
-