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  • 共有物分割請求とは?手続きの流れと費用・弁護士の必要性を解説

不動産などを複数人で共有していると、売却や活用の方針で意見が合わずに困るケースが少なくありません。そのような状況を打開するための法的な手段が「共有物分割請求」です。

共有物分割請求は、相手の同意がなくても行使できる権利で、調停や訴訟を通じて共有状態を解消できます。一方で、費用や時間がかかることや、共有者との関係に影響を与える可能性があるため慎重な判断が必要です。

この記事では、共有物分割請求の基本と3つの分割方法、手続きの流れ、費用の目安、弁護士が必要な状況について解説します。共有物分割請求を検討している方も、突然請求された方も、ぜひ参考にしてください。

共有物分割請求とは共有関係を解消するための法的な手段

共有物分割請求とは不動産などを複数人で共有している状態を解消するために、共有者の一人が他の共有者に対して分割を求める権利のことで、民法256条に規定されています。

各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

引用:e-Gov法令検索「民法第二百五十六条」

共有物分割請求は共有持分を持つ者なら、誰でも他の共有者の同意を得ずに行使できます。また、請求を受けたら基本的には拒否できない権利です。

ただし、例外として共有者全員が合意すれば「一定期間は分割しない」という特約を設定できます。禁止できる期間は最長5年で、更新は可能ですが、永続的には禁止できません。

共有物を分割する3つの方法

共有物分割請求は以下の方法のうち、いずれかで分割が行われます。

  1. 現物分割
  2. 換価分割
  3. 代償分割

それぞれ解説するため、どの方法が合っているのか考えながら読み進めてみてください。

現物分割|不動産を物理的に分ける方法

現物分割とは、不動産を持分割合に応じて区分けする方法です。分割後はそれぞれが単独名義の不動産として自由に活用できます。

ただし、建物は分割するのが物理的に困難なケースが多く、土地が狭い場合は分割後に活用しにくくなるため注意が必要です。

現物分割は共有状態を完全に解消できるシンプルな方法ではあるものの、対象不動産の形状や広さによっては難しい場合があります。

換価分割|売却して代金を分ける方法

換価分割とは、共有物を売却して代金を持分割合で分配する方法です。現物のまま分けるのが難しい場合でも、公平に現金化できるメリットがあります。

換価分割の売却方法には、以下の2つがあります。

  • 任意売却:当事者全員の合意がある場合に不動産市場で売却する方法
  • 競売:全員が合意しない場合に裁判所が強制的に入札にかける方法

競売になると落札価格が市場相場の60〜70%程度にとどまるケースが多く、売却益が少なくなると各共有者の取り分も減ります。

なお、任意売却・競売いずれの場合も、売却費用や譲渡所得税が別途かかる点に注意が必要です。

関連記事「共有物分割請求で競売にかけられた場合、自己競落は可能なのか?」では、競売にかけられた場合の対応について詳しく解説しています。競売の可能性がある方は、ぜひ参考にしてください。

代償分割|一人が取得して金銭を支払う方法

代償分割とは、共有者の一人が不動産全体を取得し、他の共有者に持分相当の金銭を支払う方法です。

誰か1人が不動産を残したい場合に適していますが、取得者に一定の資力が必要になります。また、複数の共有者が代償分割を求めた場合には、現物分割や換価分割になるケースもあります。

共有物分割請求の検討が必要になる主なケース

共有物分割請求の検討

共有物分割請求を検討する必要がある主なケースは以下のとおりです。

💡 ここがポイント:共有物分割請求が必要なケース
  • 共有者間で不動産の売却・活用の方針で意見が割れている
  • 離婚後も不動産の名義が元配偶者と共有のままになっている
  • 共有者が売却や活用に応じてくれず、共有状態が長期化している
  • 共有者が行方不明・連絡不能で話し合いができずにいる
  • 共有者の一人から突然「分割してほしい」と申し立てを受けている

なお、所在不明の共有者がいる場合は裁判所決定による持分取得・第三者譲渡が使える場合があります。

いずれのケースでも、共有状態を放置すると複雑化する可能性があるため、なるべく早く対応策を検討することが重要です。

共有物分割請求する前に知っておきたい注意点

共有物分割請求は正当な権利ですが、請求する側にとっても請求された側にとっても、以下のようなデメリットや注意点があります。

注意点 詳細
共有者との関係が悪化しやすくなる
  • 調停・訴訟を経ると関係が悪化する可能性がある
  • 相続後の親族関係を維持したい場合は、訴訟以外の解決策を先に検討する必要がある
費用・時間の負担が大きくなる
  • 訴訟に発展すると50万〜150万円以上の費用がかかる
  • 解決までに半年〜2年以上かかり、その間不動産の自由な売却・活用が難しくなる

注意点を踏まえたうえで、まずは訴訟以外の解決策を検討し、それでも難しい場合に共有物分割請求を選ぶのがおすすめです。

「訴訟まで発展させたくない」「費用や時間をかけたくない」という方には、ご自分の共有持分のみ売却するという選択肢があります。他の共有者の同意は不要で、弁護士費用や裁判所費用がかかりません。まずは以下のボタンから無料でご相談ください。

共有物分割請求の手続きの流れ|協議から訴訟まで3ステップ

本記事では一般的な共有物分割請求の流れとして、以下の3ステップで解説します。

  1. STEP1|共有者間での協議
  2. STEP2|共有物分割調停の申立て
  3. STEP3|共有物分割請求訴訟の提起

どのステップで解決できるかによって、費用と時間が大きく変わります。それぞれ解説するため、基本的な流れを押さえておきましょう。

STEP1|共有者間での協議

まず、共有者全員で話し合いを行い、分割方法や条件について合意を目指します。合意できれば裁判所を利用する必要がなく、費用と時間を最小化できます。

ただし、不動産の使い道について対立がある場合や、提案内容に誰かが応じない場合など、一人でも反対する場合にはSTEP2へ移行することになります。

関連記事「共有名義の不動産売却で同意が得られない場合とは?進まない売却や関係者間の対立解決策を解説」では、共有名義の不動産売却で全員の同意が取れない場合の解決策について詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

STEP2|共有物分割調停の申立て

共有物分割調停とは、調停委員の立会いのもと、裁判所で共有物分割に向けて話し合いを行うことです。

なお、共有物分割請求訴訟には法律上の調停前置義務はないため、協議が整わない場合にいきなり訴訟を提起することも可能です。しかし調停では、調停委員が双方の主張を聞き、合意を促してくれるため、成立すれば訴訟を回避できます。

調停の期間は一般的に6ヶ月から1年程度かかりますが、早期に合意が得られた場合にはより短期間での解決も可能です。調停が不成立の場合はSTEP3へ移行します。

STEP3|共有物分割請求訴訟の提起

協議・調停で解決できない場合は、裁判所に訴訟を提起します。裁判官が分割方法を決定し、従わない共有者がいる場合でも強制執行が可能です。

判決確定まで6ヶ月から1年以上かかるのが一般的で、争点が多い場合や控訴審に及ぶと2年以上になることもあります。訴訟は最終手段ですが、他の手段で解決できない場合に有効な手続きです。

共有物分割請求にかかる3つの費用

共有物分割請求にかかる主な費用は以下の3つです。

  1. 裁判所費用
  2. 不動産鑑定費用
  3. 弁護士費用

費用の大きさは調停・訴訟と進むほど増大する傾向があります。事前にかかる費用について、おおまかに把握しておきましょう。

裁判所費用

裁判所費用は主に以下の2種類がかかります。

種類 内容 目安
収入印紙代 不動産の固定資産税評価額・持分割合をもとに算定した訴額に応じて決まる費用 3万〜5万円程度
(評価額が高い場合は15万円以上になることも)
郵便切手代 書類送付のための費用
  • 共有者1人6,000〜8,000円
  • 1人増えるごとに2,000円程度追加

なお、収入印紙代の詳しい金額は手数料早見表をご確認ください。

不動産鑑定費用

不動産鑑定費用の目安は20万〜30万円程度で、内容によってはそれ以上になることもあります。また、裁判での不動産鑑定は厳密に行う必要があるため、高額になる傾向です。

不動産の物件規模・所在地や鑑定士によっても費用が大きく異なるため、あくまで目安として把握しておきましょう。

弁護士費用

弁護士費用は、事件を依頼した段階で支払う「着手金」と、成功に終わった場合に支払う「報酬金」が主な内訳です。これに加えて実費・日当・手数料などもかかります。

費用は案件の複雑さや不動産の価値によって大きく変動します。依頼前に複数の事務所で見積もりを取るのがおすすめです。

関連記事「共有物分割請求でかかる弁護士費用は?相場や節約方法をご紹介」では、共有物分割請求でかかる弁護士費用の相場や節約方法を紹介しています。弁護士に依頼することでスムーズに解決できるケースが多いため、おおよその費用を把握しておきましょう。

共有物分割請求に弁護士は必要?状況別の判断基準

共有物分割請求は個人でも手続き上は可能ですが、法的知識を必要とする難易度の高い手続きです。

以下の表を参考に、弁護士が必要かどうか状況に応じて判断してください。

項目 弁護士に依頼する 自分で進める
メリット
  • 主張・立証・交渉・書面作成を専門家に一任できる
  • 有利な分割方法を主張しやすくなる
  • 相手が弁護士を立てていても対等に対応できる
  • 感情的な対立を避けられる
  • 精神的な負担を軽減できる
  • 弁護士費用がかからない
  • 協議・調停段階なら自分のペースで進められる
デメリット 弁護士費用がかかる
  • 書面品質に差が出やすく、主張が通りにくい
  • 競売など自分に不利な分割方法になりやすい
おすすめの状況
  • 調停が不成立で訴訟に移行している
  • 他の共有者がすでに弁護士を立てている
  • 代償分割を希望し評価額で揉めている
  • 共有者が多く利害関係が複雑化している
  • 協議・調停の段階
  • 共有者の中に弁護士を立てている人がいない
  • 共有者同士で合意できる可能性がある

調停が不成立になり訴訟に移行した場合や、他の共有者がすでに弁護士を立てている場合は、弁護士への依頼をおすすめします。一方、協議・調停の段階で共有者が誰も弁護士を立てていない場合は、自分で進めることも選択肢のひとつです。

まとめ

共有物分割請求は、不動産の共有関係を解消するための法的な権利で、相手の同意がなくても行使できます。分割方法は現物分割・換価分割・代償分割の3種類があり、どれを選ぶかによって手元に残る財産や不動産との関わり方が大きく変わるため、慎重な判断が必要です。

共有物分割請求は有効な権利ですが、訴訟まで発展すると費用・時間・関係悪化という負担が重くなります。そのため、可能であれば協議や調停での早期解決を目指すことが重要です。

「他の共有者が合意してくれない」「訴訟リスクなしに共有状態を解消したい」という方は、共有持分のみを売却するという方法をご検討ください。他の共有者の同意は不要で、最短で共有状態を解消できます。まずは以下のボタンからお気軽にご相談ください。

編集者

【監修】共有持分サポート
編集・監修:共有持分サポート編集部
共有持分サポートは、不動産の共有名義に関するトラブル解決を専門とするサービスを提供しております。
当社では、弁護士・司法書士・不動産鑑定士・税理士など各分野の専門家と連携し、相続・離婚・共有不動産の売却問題などに対応しています。これまでに累計5,000件以上のご相談実績があり、共有持分に関する幅広いケースに対応してきました。
宅地建物取引業免許番号:大阪府知事免許(3)第58721号

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