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  • 共有持分は使用貸借中でも売却できる?トラブルと対処法を解説

共有持分は使用貸借中でも売却できる?

「持分に誰かが家賃を払わずに住んでいても売却できるの?」と不安を感じる方もいるでしょう。結論からいうと、他の共有者や親族が無償で不動産を使用している場合でも、自分の共有持分だけなら原則として売却できます。

ただし、無償で不動産を貸す「使用貸借」が成立している場合、持分を購入した買主がすぐに不動産を使用できるとは限りません。そのため、通常の不動産より買主が見つかりにくく、売却価格に影響する可能性があります。

さらに、契約内容や使用状況を確認しないまま売却を進めると、他の共有者や使用者、買主とのトラブルにつながりかねません。

そこでこの記事では、使用貸借中の共有持分を売却できる理由や売却方法、起こりやすいトラブルと対処法をわかりやすく解説します。使用貸借中の共有不動産の持分を手放したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。共有持分における使用貸借とは

共有持分における使用貸借とは

使用貸借とは、賃料を支払わずに土地や建物などを借りる契約です。たとえば、親が所有する家を子どもに家賃なしで貸す場合や、きょうだいで相続した実家を一人に無償で使わせる場合などが該当します。

共有不動産における使用貸借を理解するうえで、押さえておきたいポイントは以下の3つです。

  1. 成立するケース
  2. 民法上のルール
  3. 賃貸借との違い

まずは使用貸借の基本を押さえましょう。

成立するケース

使用貸借が成立するには「不動産を無償で貸すこと」と「契約が終わったら返してもらうこと」について、貸主と借主が合意している必要があります。

民法では、使用貸借について次のように定めています。

使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

引用:e-Gov法令検索「民法第五百九十三条」

たとえば、きょうだいで相続した実家について「弟が転居するまで家賃なしで住んでよい」と共有者間で合意し、弟も了承して住み始めた場合が挙げられます。使用貸借は口約束でも成立するケースがあり、契約書は必須ではありません。

契約書がない場合、使用貸借が成立しているか、どのような条件で貸したのかについて当事者間で争いになることがあります。その際は、メールや連絡アプリでのやり取り、固定資産税や修繕費の負担状況、入居までの経緯などが合意内容の判断材料となります。

当事者間で認識が食い違っている場合は、事実関係を整理したうえで弁護士へ相談しましょう。

民法上のルール

共有不動産全体を第三者へ無償で貸す場合、共有者の一人だけで自由に決められるわけではありません。使用貸借の期間によって、必要となる共有者の同意が異なります。

不動産の種類 使用貸借の期間 原則として必要な同意
土地 5年以内 持分割合の過半数
建物 3年以内 持分割合の過半数

出典:e-Gov法令検索「民法第二百五十二条四項」

土地で5年、建物で3年を超える使用貸借については、原則として共有者全員の同意が必要です。

なお「持分割合の過半数」は共有者の人数ではなく、それぞれが所有する持分の割合で判断します。たとえば、Aが2分の1、BとCが4分の1ずつ所有している場合、AとBが賛成すれば合計4分の3となり、過半数を満たします。

ただし、期間を定めていない使用貸借では、使用目的や契約内容などによって、必要となる共有者の同意が異なる可能性があります。そのため、誰が無償での使用を認めたのか、どの共有者が同意したのか、使用期間や使用目的をどのように定めたのかを確認しておくことが大切です。

こうした契約内容や共有者間の合意は、使用貸借を終了できる時期だけでなく、共有持分の売却条件や売却価格にも影響する可能性があります。

賃貸借との違い

使用貸借と混同しやすい賃貸借の主な違いは、使用の対価を支払うかどうかです。使用貸借では無償で不動産を使用するのに対し、賃貸借では借主が賃料を支払います。

比較項目 使用貸借 賃貸借
使用の対価 無償 有償
具体例 親の家に子どもが家賃なしで住む 借主が毎月家賃を支払って住む
借主の保護 賃貸借と比べて限定的 借地借家法が適用される場合は保護が手厚い
契約終了の主な基準 期間満了、目的に沿った使用の終了、借主の死亡など 期間満了、解約、債務不履行による解除など

なお、固定資産税や修繕費などの費用を負担しているだけでは、必ずしも賃貸借にあたるとは限りません。使用貸借と賃貸借のどちらにあたるかは、支払いの目的や金額、当事者間の合意などによって異なります。

当事者間で争いになった場合は、これらの事情を踏まえて裁判所が判断します。

共有持分は使用貸借していても原則として売却できる

使用貸借によって誰かが不動産を使っていても、自分の共有持分だけなら、原則として他の共有者の同意を得ずに売却できます。共有持分も所有権の一部であり、民法では所有者が法令の制限内で所有物を自由に処分できると定めているためです。

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

引用:e-Gov法令検索「民法第二百六条」

たとえば、兄と弟が実家を2分の1ずつ所有している場合、兄は自分の2分の1の持分だけを単独で売却できます。一方、実家全体を売るには、弟を含む共有者全員の同意が必要になります。

使用貸借中の共有持分を売却する2つの方法

使用貸借中の共有持分を売却する主な方法は以下の2つです。

  1. 他の共有者に自分の持分を売却する
  2. 共有持分専門の買取業者に売却する

不動産会社に仲介を依頼して売却することもできますが、使用貸借中の共有持分は買い手がつきにくい傾向があります。そのため、まずは他の共有者への売却を検討し、難しい場合は共有持分専門の買取業者へ相談するのが現実的です。

なお、関連記事「共有不動産を売却する方法は?全員同意なしでも売れるケースを解説」では、共有不動産全体と自分の共有持分だけを売却する場合の違いや、必要な同意について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

他の共有者に自分の持分を売却する

まずは不動産を使用している共有者に、自分の持分を買い取ってもらう方法を検討しましょう。不動産を今後も使い続けたい共有者がいる場合には、持分を増やせるうえに権利関係を整理できるため、交渉に応じてもらえる可能性があります。

他の共有者へ売却できれば、知らない第三者を共有関係に入れることなく、トラブルを抑えながら共有状態から離脱できます。

ただし、共有者への売却には、相手の購入意思や資金が必要です。売却を希望しても、相手が購入を望んでいなかったり、購入資金を用意できなかったりする場合は、別の売却方法を検討する必要があります。

なお、共有者同士で持分を売買する場合は、不動産会社に査定を依頼し、持分の価格を確認しましょう。そのうえで、売却価格や支払方法などの条件を話し合って決めることが大切です。

共有持分専門の買取業者に売却する

他の共有者への売却が難しい場合は、共有持分専門の買取業者へ売却する方法があります。共有持分専門の買取業者なら、使用貸借中の持分でも現状のまま売却できる可能性があり、比較的早く現金化できるのがメリットです。

ただし、共有持分は自由に利用しにくいうえ、使用者がいる場合は権利関係の整理が必要になるため、買取価格が低くなる傾向があります。

査定を依頼するときは、使用貸借契約書の有無や使用者、使用期間など、現在の状況を正確に伝えましょう。また、複数の専門業者へ査定を依頼し、買取価格や条件を比較することが大切です。

なお、当社では、無料相談・無料買取査定を全国から受け付けています。現在の状態で共有持分を売却できるか知りたい方は、以下からお気軽にご相談ください。

使用貸借中の共有持分売却

使用貸借中の共有持分売却時に起こりやすい3つのトラブル

使用貸借中の共有持分を売却するときに起こりやすいトラブルは以下の3つです。

  1. 他の共有者から売却に反対される
  2. 使用貸借の終了や退去をめぐって使用者と揉める
  3. 想定より査定額が低く売却が進まなくなる

法律上は売却できても、関係者の認識が一致していなければ問題が生じるリスクがあります。事前に想定されるトラブルを知り、売却前に備えておきましょう。

なお、関連記事「共有持分のトラブルは弁護士に相談すべき?費用相場と選び方」では、弁護士へ相談した方がよいケース、費用相場、選び方を詳しく解説しています。トラブルに発展している方は、あわせてご覧ください。

他の共有者から売却に反対される

知らない第三者が新たな共有者になることへの抵抗感から、売却に反対される場合があります。

他の共有者に反対されたとしても、それだけを理由に持分の売却ができなくなるわけではありません。しかし、何も伝えずに売却すると、他の共有者は突然知らない人と不動産を共有することになり、共有者間の関係が悪化するおそれがあります。

関係悪化を避けたい場合は、第三者へ売却する前に、売却を検討していることやその理由を他の共有者へ伝えておきましょう。あわせて、他の共有者に持分を買い取る意思がないか確認しておくのも一つの方法です。

使用貸借の終了や退去をめぐって使用者と揉める

売却前に使用貸借を終了させようとすると、退去をめぐって使用者とトラブルになることがあります。

使用貸借は、貸主の都合だけですぐに終了できるとは限りません。退去を求められる時期は、契約で定めた使用期間や使用目的などによって異なります。

とくに、口約束で貸している場合は、使用期間や目的、返還時期について認識が食い違うことがあります。そのため、退去を求める前にどのような約束をしていたのか確認しておきましょう。

想定より査定額が低く売却が進まなくなる

共有持分は、買主が不動産を自由に利用・処分しにくいため、一般的な不動産よりも買い手が限られ、査定額が低くなる傾向があります。さらに、使用者がいる場合は、権利関係の確認や調整が必要となり、査定額に影響する要因になります。

たとえば、不動産全体の市場価格が3,000万円で、自分の持分が2分の1でも、1,500万円で売れるわけではありません。共有持分の売却価格は、不動産全体の価格を持分割合で分けた金額とは異なるためです。

買取業者から提示された金額が適正か判断するためにも、複数社へ査定を依頼して比較しましょう。その際は、使用状況や使用貸借の内容がどのように査定へ反映されているのか、金額の根拠まで確認することが大切です。

使用貸借中の共有持分の売却でトラブルが起きたときの3つの対処法

使用貸借中の共有持分の売却

使用貸借中の共有持分の売却でトラブルが起きたときの主な対処法は以下の3つです。

  1. 他の共有者と売却について話し合う
  2. 使用者と今後の使用方法を決める
  3. 当事者だけで解決できない場合は専門家に相談する

対立が深まる前に、問題の内容に合った方法で対応することが大切です。それぞれの進め方を確認しましょう。

他の共有者と売却について話し合う

共有持分の売却をめぐって他の共有者とトラブルになった場合は、相手が売却に反対している理由を確認しましょう。

たとえば「知らない第三者と共有したくない」という理由で反対しているなら、他の共有者に自分の持分を買い取ってもらうことで解決できる可能性があります。

また「不動産自体を手放してもよい」と考えている場合は、共有者全員の同意を得て不動産全体を売却する方法もあります。不動産全体を売却できれば、それぞれが共有状態から抜けられるうえ、共有持分だけを売るより買主を見つけやすくなります。

反対されたまま売却を進めるのではなく、相手の希望を確認したうえで、お互いが納得できる方法を探すことが大切です。

使用者と今後の使用方法を決める

使用貸借中の共有持分を売却する場合は、売却後のトラブルを防ぐため、以下のように使用者と今後の使用方法について話し合いましょう。

  • 使用貸借を続け、これまでどおり無償で使用してもらう
  • 使用貸借を終了し、使用者に退去してもらう
  • 使用貸借を終了し、賃貸借契約へ切り替える

なお、使用方法によっては、他の共有者との調整が必要になる場合もあります。

また、使用貸借から賃貸借へ一方的に変更して、使用者に賃料を請求することはできません。賃貸借へ切り替える場合は使用者との合意や、契約内容によっては他の共有者の同意が必要です。

当事者だけで解決できない場合は専門家に相談する

共有者や使用者との話し合いで解決できない場合は、トラブルの内容に応じて弁護士や共有持分専門の買取業者へ相談しましょう。

相談先 悩み・トラブル
弁護士
  • 使用貸借を終了できるか判断できない
  • 使用者が退去に応じない
  • 共有者や使用者との交渉がまとまらない
共有持分専門の買取業者
  • 他の共有者に持分を買い取ってもらえない
  • 使用者がいる状態で持分を売却したい
  • 共有者と揉めているが持分を手放したい

使用貸借の終了や退去など、法的な問題を解決したい場合は弁護士への相談が適しています。また、トラブルを抱えた状態で共有持分を売却したい場合は、共有持分専門の買取業者へ相談する方法があります。

問題を抱えたまま売却を進めず、目的に応じて弁護士や共有持分専門の買取業者へ相談しましょう。

使用貸借中の共有持分は状況を整理してから売却しよう

使用貸借中でも、自分の共有持分だけであれば原則として売却できます。ただし、使用者がいる場合は売却先が限られるため、現在の使用状況や契約内容を整理したうえで売却方法を検討することが大切です。

他の共有者への売却が難しい場合は、共有持分専門の買取業者への売却も検討してみましょう。使用者がいる場合や使用貸借契約書がない場合でも、そのままの状態で買い取ってもらえる可能性があります。

なお、当社では全国から無料相談・無料買取査定を受け付けています。「今の状態でも売却できる?」「いくらで売れる?」と気になる方は、以下のボタンからお気軽にご相談ください。

使用貸借中の共有持分

編集者

【監修】共有持分サポート
編集・監修:共有持分サポート編集部
共有持分サポートは、不動産の共有名義に関するトラブル解決を専門とするサービスを提供しております。
当社では、弁護士・司法書士・不動産鑑定士・税理士など各分野の専門家と連携し、相続・離婚・共有不動産の売却問題などに対応しています。これまでに累計5,000件以上のご相談実績があり、共有持分に関する幅広いケースに対応してきました。
宅地建物取引業免許番号:大阪府知事免許(3)第58721号

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